株式会社中村農園

レポート・球根情報



ニュージーランド出張報告(2003/3/26)

中村 慶吾

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
3月中旬より現地にて、これまでの球根成育状況と施設等を調査してまいりましたので ご報告いたします。

1. ニュージーランドの天候と土質
南半球に位置するニュージーランドは、現在秋の始まりです。 日本同様南北に長い島国なので、地域により気候はかなり異なり、 北島のオークランドでは最高気温が20℃前後、南島の南端では16℃程度、天気は概ね晴れでした。
又、同じ地方内でも、 わずか数十キロ移動しただけで気候が全然違うというような場所もあります。

2. 各社の状況
ファンザンテン社
南島のクライストチャーチから西へ70kmほどのラカイヤ地区にある。
生産面積は35-40haで、うちリン片用は7-8haと思われる。 今年からコブラとヤナが販売球サイズになり、03年秋には シーラ、ロディナ、ビビアナのリンペンが植え付けられる予定。
植付けは9月10日~10月中旬で、雨による中断は2日のみと順調に行われた。
今年の夏は暑く、曇りの多かった去年と比べ、気温も高く日照量にも恵まれたため、 球根は十分にエネルギーを貯え、肥大も良いようだ。やや乾燥したため潅水は多めに行い、 そのためにいくつかの品種で軽い根痛みを起こしているものがあったが、 今後新しい根が出てくると思われる。
02年産の土付着問題は重く受け止められ、今季から洗浄機の性能改善、 洗浄用リサイクル水の浄化設備を2倍にする、 選別ラインと輸出用洗浄機を分断し自社検査に合格するまで何度も洗浄を繰り返すなど、 多くの改善が行われ、管理体制も厳しくなった。

バッカー社
ファンザンテン社と同様にラカイヤ地区にある。 球根はオニングスを通じて販売され、バッカー社の切花生産にも使われる。
生産面積は25haでリン片用は5ha。品種はカサブランカ、ソルボンヌ、シベリア、ルレーブ、 ティバー、シンプロン、ベルニーニ、スターゲザー、マスカデット、ラマンチャ、コロナ、 マッチポイント、トムプーシュ、ホワイトライオンなど。
夏の天候が良すぎた(?)こともあり、多くの品種で適当な球根サイズに抑えるため、 早い段階で上部の茎をカットしている。茎葉はまだ緑でこれまで順調に成育してきた様子。
去年より冷蔵庫が増設され、収穫から洗浄、選別まで効率の良いラインができている。 今後もパッキング後の貯蔵用に冷蔵庫を増やす計画がある。 球根はオニングス社を通じて販売されます。

サザンフローラ社
南島の南端にあるインバーカ-ギルから北東に80kmほどのゴアに施設がある。 畑はそこから北西に30kmのところで、去年に比べてやや暖かい気候となる。 南島南部はラカイヤ地区と比べて、気温・日照量ともに低く、肥大化スピードはやや劣るが、 じっくりと成育し重みのある安定した球根という印象。
生産面積は全30haでリンペンは5ha。品種はスターゲザ-、カサブランカ、シベリア、ルレーブ、 マルコポーロ、ロザート、アカプルコ、メデューサ、バルバレスコ、デヨン品種など。
カサブランカは、全面的な種球の更新が行われ、汚染のないみずみずしい球根が期待できる。
昨年植付け期の天候は悪く、全体の1/3程度の植付けが1ヶ月ほど遅れた。 堀上げたサンプル球からでは成長の遅れは確認できなかったが、 茎葉はまだまだ健全で秋の天候が良ければ、今後の肥大も期待される。 夏の天候は良く(去年と同様)、例年通り植え付けられた2/3は順調な成育といえる。 球根はデヨン社を通じて販売されます。

チューリップインターナショナル社
ゴア地区から北西30kmほどにあるタパヌイに施設がある。
生産面積はタパヌイに3ha、そこから北へ80kmほど行ったところに第2の畑が2haあり、計5ha。
タパヌイの気候が今年のNZの生産地では最も涼しく、ラカイヤ地区に比べて1~2サイズ成長が遅いが、 自然体に近い成長で根もしっかりしている。 逆に第2の畑は、ラカイヤ同様もしくはそれ以上に暖かい場所で、日照もあって球根の肥大も早く、 根もまずまず。夏の日差しで上部の葉が茶色く日焼けしているが、成長に影響はない。
1.5年栽培という、オランダのターボ球に近い成育のものもあるが、 長期抑制の安定度としてはやや心配か? 球根はヤンデウィット社を通じて販売される。

ホップマン社
北島のオークランド近くにあるワイウクに施設があり、露地で切花栽培も行っている。
今年の生産地はオークランドの郊外で、面積は13-14ha。品種はシベリア、ベルニーニ、 ソルボンヌ、ティバー、カサブランカ、マイアミなどがある。
昨年の収穫期は長期にわたって小雨が降り続き、収穫が進まず、 又ウォーターダメージも発生させてしまった経験から、今年はやや傾斜のある畑を選んで、 雨が畑の外へ流れ出やすいように工夫した。
夏の気候は例年並でよく、肥大も良さそう。土っぽい柔らかな土質で、 しっかりした良い根をつけている。
今年の収穫期にも雨が続く心配があり、来年から全ての生産地を南島へ移そうかとも考えている。 球根はフェルデガール社を通じて販売されます。

3. まとめ
ニュージーランド全体の面積は約110haで、去年の約95haからやや増加しました。 夏の気候は全般に良く、球根は十分にエネルギーを貯えられたと思います。 球根の芽形成や熟度を調査するにはまだ早すぎますが、 今後秋の気温が順調に下がり収穫期の天候にも恵まれれば、力のある球根が期待できます。