株式会社中村農園

レポート・球根情報



2004年南半球産球根の受注状況について(中間報告)(2004/4/19)

毎度お世話になっております。
昨シーズンあたりから特に西南暖地の冬の切花用に定着した感のある南半球産球根。
これらの切花出荷もほぼ終了致しましたが、 ①冬場でも高品質切花の出荷が可能になった事、 ②市場が求める品種構成に近づきつつある事、 ③品種毎も分散出荷が可能になった事、等により、大きな効果を発揮しました。
東京の大手市場では1月以降の(オリエンタルの)総平均単価が何年かぶりに 300円を越す程で、冬の百合栽培に一大革命が起ったと言っても過言ではありません。
2004年南半球産球根につきましては、皆様のご理解とご支援を賜り、 最終的な当社の取扱球数は600万球~650万球と思われます。 (2003年産実績は約500万球。)
これら受注状況の概略や特徴についてご報告致します。(別紙グラフご参照)

① 総輸入球数見込
 取り扱っているオランダの輸出業者等によれば、 04年南半球産の日本への総輸入球数は1500万球台(前年は約1300万球) の見込み。
定植期が10~11月中心から、12~1月まで伸びた事から考えると 妥当なところと思います。その分、1月植の04年オランダ産球根の減少が見込まれ、 10月~1月までの定植球数自体はほぼ同じ(増える事はない)と見ています。
② 色別割当
 ピンク系46%、白系42%、黄系10%、(当社分類上の)赤系1%、 白黄系1%で全体としてバランスが取れているのではないでしょうか。
10月以降、実際の納品に際しましては、皆様方との連携のもと特定品種が 偏った集中出荷にならないよう、注意深く納品させていただきたいと思います。
③ 冬作も三大品種で60%近くに。来年も期待できる切花相場(!?)。
 日本市場において、年間を通じて、主要三品種(シベリア、ソルボンヌ、 カサブランカ)がオリエンタル全体に占める比率は、およそ各20%、 計60%になり、市場側もそのような状況を求めています。
しかし最近まで、(オランダ産冷凍球と切下球を用いて)冬場にこれら品種の 高品質切花を生産する事は大変困難でした。
これを解決する手段として考え出された南半球産球根ですが、 産地側のライセンス問題もあり、これら三品種の生産は意外に少なく、 今でも必要量の入手は甚だ困難ではあります。しかし幸いに弊社では本年何とか 希望に近い球根確保ができました。特に、市場側が品不足を指摘している シベリアをかなり重点的に確保できました。本当に必要とするところに優先的に 配分してくれた産地側に感謝しています。
又、それ以外の品種についても、市場評価の高い物を(それなりに) 品揃えできたと思います。
この事は、供給サイドから見ると来シーズンも安定した切花相場が期待できる のではと推察致します。
④ 黄色OTについて
 今まで冬花ではほとんど不可能だった黄色がいよいよ始まります。
弊社扱のイエローウィンは約40万球で我が国輸入量のおよそ半分。 コンカドール等を含んだ黄色OTは全体で約60万球、全体に占める割合は10%になり、 本年春~秋の予想流通割合(8%?)をやや上回る程度で、高付加価値商品が 求められる冬花市場から考えて、ちょうどいい位かなと思います。
⑤ 残念なリアルト、シンプロン
 市場でも最高の評価をいただいているリアルトですが、弊社の産地側への 情報提供が行き届かず、残念ながら生産が減少し十分な量を確保できませんでした。 本当に申し訳ございません。
又、生育スピードが早く、冬花に向いているシンプロンも生産が追いつかず、 十分な扱いができませんでした。
今後計画的な増産を産地側に求めて参ります。
⑥ 最後に
 来年の母の日は(カレンダー上考えられる)最も早い5月8日で、 04年オランダ産オリエンタル新球を用いて、切花出荷を間にあわせる事は 一部地域での一部品種を除いて、ほぼ不可能と思われます。 何でも母の日前が良い訳ではないでしょうが、基本的に南の産地には北の産地の 出荷が始まる前の出荷が期待されており、西南暖地での南半球産球根の必要性は 今後も増すものと思われます。
一方、03年オ産球根を十分手当できなかった台湾や、一部中国でも、 使われ始める等、南半球産球根への世界の需要は私達の予想を越えるものでした。
先週までの聞き取りによると、南半球の各産地での生育状況はまずまずとの 事であり、一方販売は極めて順調に進展し、売り切れが近づいたとの事でした。
弊社の在庫もあとわずかとなりましたが、使用価値の高い品種が残っており、 皆様方のご用命をお待ち致しております。ありがとうございました。