株式会社中村農園

レポート・球根情報



ニュージーランド出張報告(2017/2/8)

お客様 各位

ニュージーランド出張報告

2017年2月8日
株式会社中村農園
中村光輝

 私は2017年1月31日から2月2日にかけて、ニュージーランドを訪問し「球根生産圃場」を調査して参りました。以下、簡単にご報告いたします。

 

【低日照と気温の上下】

 ニュージーランドの球根生産地、北島ネーピアと南島ラカイアでは、ともに定植時期の天候に恵まれ、植え付けが非常に順調に進みました。しかし、今シーズンは9月以降、曇天続きで日照時間が短く(次頁、図参照、◆:日照時間)体感温度は寒く、加えて、気温の上下が激しく、風も吹き、変わった年になっていると言う生産者がいます。私が訪問した際も、1日目のネーピアでは28℃を超える真夏日で水分補給や休憩しながらの作業でしたが、翌日、翌々日のラカイアではそれぞれ日中11℃、8℃と、急遽、日本で着ていた上着を持ち出さなければならないほど寒い中での調査となりました。
 肥大に関しては、昨年が良かったこともあり「現在、10日程遅れている」と言う生産者がいます。一方で、今年は春に霜が降り一部被害を受けた圃場があったものの、雹も含めて被害は限定的で多くの品種が順調に夏を迎えています。

 

【品質改善と実情】

 前回、私がニュージーランドを訪問した際には、いくつかの品種・ロットでバイラスの症状が見られました。しかし、今回の訪問では問題が完全に解消されたわけではないものの、各生産者ともに改善が進んでいることを実感しました。
 2016年産では現行の検査方法も概ね確立され、意識の高い生産者は早期に種球のロット更新を行い、クリーン化を進めることができました。種球の多くはオランダで生産された後、ニュージーランドに輸入し養成されます。中にはオランダで秋に収穫した種球を直ちに輸入し、11月に定植するなど新しい栽培方法の導入も品質改善を後押ししました。
 しかしながら、数年来、オランダではリン片母球に使用するための種球の需要が急増したことにより、今日では完全にバイラス感染のない種球を入手することが非常に難しい状況になっています。意識の高い生産者においても品種によっては低感染率の種球は定植せざるを得ない場合も出てきています。その為、定植したものの感染が増大し廃棄しなければならないロットもありました。
 弊社ではこうしたロットを取り扱わないよう輸出会社や球根生産者の協力を仰ぐとともに、試験栽培を継続して行い情報共有することで、更なる品質向上と維持をお願いしています。

 

【中国市場の動向】

 今回、私が出張していた時期は中国などの中華圏では旧暦の正月にあたる“春節”で最も重要な祝祭日であり、ニュージーランドでも休暇を楽しむ多くの人々を見かけました。地球の裏側・チリにまで中国人と思われる旅行客がいたことには驚かされました。
 昨今、ゆり球根に関しても中国の動向は目が離せない存在です。昨年2016年に中国が輸入した総球数は公式発表のデータによると3億2,000万球近くに上ります。その内、春節は切り花の最も重要な需要期のひとつであり、春節の日によって“北半球産を用いる”か、“南半球産を用いる”か、球根需要が大きく変わる要因となります。今年2017年は1月28日、来年2018年は2月16日にあたります。したがって、2017年南半球産に対する春節需要は高く、日本にとっては厳しい年になることが予想されます。
 一方で、ニュージーランドの生産は日本市場を意識した品種構成となっており、輸出会社や球根生産者にとっても安定した成長が見込める重要な国のひとつです。
 弊社では皆様方に支えていただきながら仕入れを進めております。微力ながら社員全員、力を合わせ頑張って参りますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。

 

【参考資料】