株式会社中村農園

レポート・球根情報



ニュージーランド出張報告(2017/7/12)

お客様各位

ニュージーランド出張報告

2017年7月12日
株式会社中村農園
中村 慶吾

 いつもお世話になっております。

 7月4日よりニュージーランド(以下NZ)の収穫状況等を調査してまいりましたので、簡単にご報告させていただきます。

 

1.秋に肥大がすすむ

 2月8日付NZ出張報告でもご報告の通り、植付けから1月までの気候は不安定で、夏の最高気温が25℃の日もあれば15℃の日もありました。曇天で全体に日照時間が少なく、圃場の緑はきれいでしたが球根肥大はやや遅れているものもありました。
 今回の調査では、肥大は例年になく良い結果でした。生産者の話では、2月以降は通常の気候に戻り、3月下旬から4月(秋)に雨が多く、肥料も土に残っており肥大が続いたようです。リン片圃場の肥大は特に良く、コンカドール・マニサなどは14~18㎝の販売球が出ているものもありました。

 写真(上)はカサブランカで、特殊な例ですが、左下が私の白い拳(右上が19㎝の球根)ですので、どれだけ大きいかお察しいただけると思います。NZの南島では数年前から冬(早)植えが増え、生育期間が長く取れるようになりました。

 写真(下)は定植済みの圃場。そのことが球根の肥大確保を容易にし、二芽の発生も抑えられ、1年と2年栽培の力の差がなくなったのでは、とも言われています。

 

2.本当は複雑なNZ産の芽形成

 上記写真は、同一生産者及び品種・サイズの1年栽培と2年栽培の芽です。
 オランダのように地域の気候差が比較的小さく、(チリも含め)殆どの球根生産者が同じ生産体系なのとは異なり、南半球では様々な要因が毎年変化しています。そのため、ステレオタイプに「コンディション別」「どの生産者を先に使うか」などと示唆するのは実態にそぐわないことがあり注意が必要です。
     左写真(白い背景)の左が2年、右が1年です。
     右写真(茶色い背景)の左が2年、右が1年です。

 

 チリ出張報告では、植付け密度について少しご紹介いたしましたが、下の写真は収穫前の畝の様子です。左は16年産でやや力不足が指摘されたシベリアのロット(昨年は右のような状態でした)。右写真は同じ圃場での別の品種です。左に緑(コケ)が多く見えます。

 

 弊社は日本向けNZ産球根を最も多く扱わせていただいていることもあり、毎年の現地訪問を続けている会社として、生産体系や管理の変化を共有できています。お客様のハウスやロット試験での結果を踏まえ、各球根生産者と調整を計ることで年次のブレを抑えることが、営利用百合球根の安定供給につながると思います。

以上