株式会社中村農園

統計



2006年統計のご紹介(2007/1/15)

新年 あけまして おめでとうございます。
本年も何卒 宜しくお願い致します。

私達の仕事に関係する、2006年のいくつかの統計をご紹介いたします。

1. 当社の球根出荷実績
別表1、オリエンタル球根納品実績は、主に西日本の抑制栽培に当たる8月以降、各月を前後半に分けて集計しています。
昨年と比較して目立った相違はなく、月間ではほぼ同数の出荷となりました。もちろん、当社以外の事情は分かりませんし、地域ごとには前後があるかもしれませんが、西日本での植付け時期(作型)の大幅な変更はなかったと思われます。一部に言われている燃料費削減の為の、作付前進化説には(当社の納品実績から見る限り)疑問を感じています。

2.2006年南半球産球根納品実績

日本の2006年SH球輸入球数

  NZ CH
8月 936,655 0 936,655
9月 5,248,935 4,201,360 9,450,295
10月 4,100,875 4,376,135 8,477,010
11月 552,860 2,272,044 2,824,904
12月 0 0 0
合計 10,839,325 10,849,539 21,688,864

(植物防疫所より)

参考)
2005年SH球   (NZ)11,950,830   (CH)8,337,538  (合計)20,288,368

 

上記表の通り、日本全体のSH球輸入球数は約2170万球で、収穫時期まで予想されていた2500万球を大きく下回ってしまいました。
又、今季は関東の大型生産グループで、思い切ったオ産からSH産へのシフトがあったとのことで、それ以外の産地への流通量は 前年とほぼ同数と思われます。
別表2、2006年南半球 月別色別納品実績は、1でご紹介した当社納品実績のうち、南半球産球根のみを集計したものです。
数年前に比べ、10-1月の納品球数は平準化してきています。これは、10月以降の植付けには品質面から南半球産球根という共通認識がほぼ広まったことと、オ産 長期抑制球の冷凍賃等の付加コストを考えた場合、南半球産球根(当社は12月より冷凍賃計上)の方がお得という事もあると思います。
SH球の1月植付け(納品予定)も、定着してきました。(2006年)オランダ産が、温暖化の影響で収穫時期 及び 冷蔵上がりが遅れている中で、いつでも納品(植付け)可能で、定植後 間もなく発芽し、加温の必要な時期にオランダ産新球に比べて生育の早いSH球は、特に4月~母の日の出荷で有利です。また、オランダ産新球による切花との分散で、5月下旬以降の集中出荷 防止も期待されます。但し、品種・サイズ・産地等については、十分ご相談いただきたいと思います。

3. 2006年 の天候
別表3、高知市の月別気候グラフ。
5月以降12月まで、8ヶ月間続けて月間平均気温が平年値を上回りました。年間総平均でも1℃以上高かったことになります。
特に 平年値に比べ、8月+1.2℃、10月+2.6℃、11月+1.8℃、12月+2.2℃と、異常高温が続き、12月出荷予定だったものは、2~3週間早まった模様です。
全国では 地域により気候はさまざまですので、傾向としてご参照下さい。

4. 市場のオリエンタルゆり切花入荷実績
全国の状況を示す統計がありませんので、関東の某大手市場の入荷実績を見ますと、8月が例年より少なく、9月は増加、10月がやや減、11月が減少、12月は前年並みとなっています。
都道府県別での目立った変化は、北海道が8月出荷をやや控え、求められている9月出しが増加。新潟県の8、9月の出荷が減少、10、11、12月出しの大幅増加。
月間平均単価は、8、9月が前年よりも上昇、11、12月が減少しています。各市場により状況が異なり、これらが全国的な傾向とまでは言い切れませんが、いわゆる高冷地産の生産状況が、昨年後半 市場に大きな影響を与えた事は事実だと思います。西日本の産地にとっては、大変厳しいシーズン始まりとなってしまいました。
生産された切花が効率よく、需要と供給のバランスに偏りなく取引されますよう、市場と産地間の相互理解が深まることを期待します。
(*1月13日付け送信の際に、下線部の表現に誤りがありましたので、お詫びして訂正いたします。;2007年1月15日)

5. 輸入切花の動向
別表4、輸入ゆり切花推移 及び 2006年月間ゆり輸入切花推移(植物防疫所統計より)。
2004年は度々台風が到来し、9月以降の出荷が乱れ、その穴を埋める形で輸入切花が増加しました。
以降 輸入本数は、ピークとなった2004年から2年連続で減少しており、2006年の約657万本は前年比82.37%(17.63%減少)でした。
別表5、輸出国別(韓国 及び、中国・台湾・オランダ・ニュージーランド)でも、それぞれ減少しています。
高品質の国内産が評価され、市場が求める物と産地側が計画生産できつつあることの表れだとしたら、うれしい傾向です。