株式会社中村農園

レポート・球根情報



川上哲矢 オランダ駐在レポート(4)(2008/1/26)

川上 哲矢

寒中お見舞い申し上げます。
私のオランダ駐在も、いよいよ残すところ数日となりました。
今回のレポートでは、2007年オランダ産についての情勢調査 及び 輸出業者への聞き取りについてご報告いたします。

① 07年オランダ産の球根生産量について
調査を行ったどの会社の方も、07年産は生産過剰であったとの見解で、08年産は生産面積が減るだろうし、球根価格・マーケットの健全性のために、減るべきだと言っています。

② 各社の07年オランダ産の在庫状況について
B社:主にアカプルコ、メロースターなどが減少し、昨年と比べて10%の減少。
C社:去年とほぼ同じ。
D社:去年と比較して、ほぼ変わらない。
P社:去年と比べ、主要品種(カサブランカ、シベリア、ソルボンヌ、ティバー、 リアルト、コンカドール、
イエローウィンなど)の在庫を中心に数%の増加。
V社:オリエンタルが少し減り、去年と比べてやや減少。

● 大手輸出業者社長によると、球根生産者は古い品種(メロースター、スターゲザー、アカプルコなど)を販売できず、主要品種は販売できているものの、サイズによっては売れず、生産者側でまだかなりの在庫が残っており、それらの球根は品質や輸出条件等の問題があり、処分するしかないようです。

球根単価が安くなることは、切花生産コストにおいては歓迎であるものの、球根生産側の不健全化が進むことで、全体の品質低下や、球根供給の不安定化を生むことが懸念されます。情報のオープン化が進み、需要と供給のバランスが取られればと思います。