株式会社中村農園

レポート・球根情報



情勢報告(2019/5/9)

お客様各位

情 勢 報 告

2019年5月9日
株式会社中村農園
中村 慶吾

 いつもお世話になっております。
 新しい時代、令和も、変わらぬご愛顧賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

① 暖かかった冬と涼しい春

 18年南半球産による切花相場は、1-2月が低く3-4月が高い傾向でした。下記グラフ(ご参考:高知市の旬別平均気温)の通り1-2月の気温は、2019年(太い赤線)が、15-17年平均(黄色い点線)を上回る暖かさで、2018年(青い実線)はかなり低く、今年との差が大きかったことがわかります。
 農業は気候の影響を受けますが、百合は1球から1本と、生産量が増えたり偏ったりすることはなく、花卉類全般の中では、比較的堅調な相場だったと思います。他品目は輸入が増加し、国内産の市場流通比率が減少する中、国内生産主体の産出額第2位である百合は、生販協力のもと、周年安定供給に貢献しています。

 

② 2019年南半球産の輸入予定数

 19年南半球産の販売状況について、日本向け販売を行う輸出会社にアンケートをしたところ、下表のような結果となりました。
LAは、NZ産の生産量増加に加え、チリ産でも少量ながら新しい品種が始まったことで、全体的に増加しました。(一方、18年オランダ産LAは大きく減少する見込みです。)
 オリエンタル/OTは、全体的に慎重な動きとなり、対前年同期比約100万球減少となりました。加えて、生産面積が減少しており輸出各社のめぼしい在庫もない状況です。

  スカシ/LA オリエンタル/OT 合計 前年同期比%
NZ 804,800 14,749,975 15,554,775 101.5%
CH 196,800 5,299,525 5,496,325 85.0%
Total 1,001,600 20,049,500 21,051,100 96.6%
前年同期比% 171.7% 94.5% 96.6%  

4-6月の切花出荷は、南半球産からオランダ産への切り替え時期となりますが、オランダでは温暖化による秋の枯れ方の遅れから、収穫時期 及び 日本への入荷が年々遅くなっています。1-2月の定植は南半球産を念頭にご計画いただき、5月に端境期とならないよう継続出荷をご検討お願い致します。

 

③ 2019年オランダ産について

 3月後半~4月中旬は天候がよく植付けは順調に進みました。
4月中旬に遅霜が発生し、既に発芽していた2年栽培圃場への影響が心配されましたが、球根生産者の適切な対処により、1か月近く経過した今、特に被害は出ていないと報告を受けています。
 3-4月は品種ごとの作付け面積や生産停止などの情報が錯そうしやすく、比較的新しい品種の情報も、植付後にわかるものが多くあります。世界のマーケット状況は、けん引役だったアジア諸国の成長鈍化に伴い、やや先行きに不安感があり、この3年でムードに変化が見られます。

  世界動向 オランダ球根相場(不人気品種)
2017年産 販売好調 一部未販売品種が終盤に下落
2018年産 成長鈍化 後半の相場が全般に軟化
2019年産 慎重姿勢 前半から低めの相場で始まる

 2019年オランダ産は、シベリアを除く殆どの品種が低めに交渉されており、為替環境も含めて調整中ですが、球根単価は安心して頂けると思います。
まもなく在庫表(第1版)のご案内を予定しておりますが、事前のお問合せは、弊社営業担当までご連絡いただけますと幸いです。

 

④ 令和での百合の活躍を祈念して

 1990年(平成2年)に、オランダ産百合球根が輸入自由化になって以来、日本の輸入球根の歴史は、まさに平成と重なるものがあります。
1998年頃から花き業界は、バブル崩壊後の失われた20年のような調整期に入りました。球根業界にも独特なプレッシャーと固定観念がありましたが、百合は近年、旧来品種からの転換期に入っており、加えて品種開発の発展を迎え、これからの未来に明るい光をともしています。

 令和。令には「凛とした」雰囲気があり、和は「調和」を意味しています。
歩く姿はユリの花、リンペンが集まって球根を成す姿、漢字で書く和の名前から、百合は令和にぴったりの花と思える、イメージの共通点があります。
2019年・令和元年を節目に、業界再編、市場法改正、流通の技術革新など、競争から共創へ、新たな創造の時代へ、百合も歩いていくものと思います。

 

 令和元年、6月のゆりの展示会(6月13日~16日開催)!!

 2018年オランダ産は、昨年のオランダ出張報告(10月版・12月版)でもご紹介の通り、生育期間の気候が良く、比較的大きな芽形成で、現在、試験ハウス内で生育中の百合もボリュームが出てきています。今年の展示会では、新たな企画を多数ご用意し、ご来場の皆様に楽しんでいただけるイベントとなるよう、準備を進めております。

 

☑ 百合生産にも働き方改革を!というメッセージを込めて、「ゆりふぇっくす」コーナーでは様々な作業軽減につながるアイデアをご紹介致します。

☑ もっと自由にもっと楽しく!百合を身近に感じていただくため、フラワーアレンジ教室を開催。お子様にもご参加いただけます。 

☑ きてみて香って、癒されて!農研機構の花の香りのスペシャリスト、大久保直美先生と世田谷花き様ご協力のもと、品種ごとの香りの特性を体感していただけます。

☑ 飲んで笑ってナイトフェスタ!関係者内覧会の夜に、県内外からのお客様が集い、毎年恒例の懇親会を開催しています。今年は、展示会日程を約1週間遅らせた事で、“ダッチリリーデイズ”と重ならず、オランダからのお客様も予定しております。

 

 皆様のご来場を社員一同、心よりお待ち申し上げます。
 今後とも、何卒よろしくお願い致します。

   以上